本屋で並んでいたなかからチョイス。
見てはいけないもの見せてはならないもの。不許可の烙印を押された禍々しい写真を紹介した新書です。中国、シンガポールなど戦前の写真を解説。
見てはいけないものを見たがるのは悪趣味かもしれませんが、つい手にとって、見て、買ってしまいました。父や叔父たちから聞いた苦い思い出、戦争の写真です。皆が戦争の記憶を失った頃、戦争は起きる、バブルの記憶を失うとまたバブルが起きるように。戦時の写真を見る度に戦慄するのはなぜか、自分にもよくわかりません。
ほかに「まだ見ぬ中国」購入。パラパラと見ただけですが、なかなかの写真(西湖)を見つけました。
…目の前にぶらさがる紅いニンジンは、「略奪強姦勝手次第」。そういう暗黙の諒解(古代から戦争のしきたりである)を兵たちは上司からえていたという。シルエットの元気さは、純情そうな高校生の心の中にとぐろをまく性欲にも似ているが、政治宣伝の写真であるからには、その偽善を責めてもお門違いである。p.30
…意識するのは、人の勝手で、太腿には違いないのだ。女子バレーの選手や体操の女子選手のぴちぴち動く太腿や脚部を、色っぽいなと知らずに眺めていることが、男なら誰でもないわけではない。これは検閲官と同じ眼差しである。p.106
不許可写真―毎日新聞秘蔵 (1) (毎日ムック―シリーズ20世紀の記憶)
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 1998/12
- メディア: ムック
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