「朗読してみたい中国古典の名文」を読みました。なかでも好きな名文を備忘します。まずは、漢の創業者、劉邦の歌です。勝ちきった英雄の感慨です。
台風起こって 雲飛揚し
威 海内に加わって 故郷に帰る
いずくにか猛士を得て 四方を守らしめん(p.22)
孔子の3編です。旧友が突然訪ねてくれることが嬉しくなりました。57歳にして名が顕れない自分を羞じるとともに、他人を知らない自分を恥じる心境になりました。
子曰く、「学んで時にこれを習う。また悦ばしからずや。朋有り、遠方より来たる。また悦ばしからずや。人 知らずしていきどおらず、また君子ならずや」(p.64)
子、川のほとりに存りて曰く、「逝く者はかくの如きか。昼夜をおかず」(p.90)
子曰く、「後生 畏るべし。いずくんぞ来者の今にしからずを知らんや。四十五十にして聞こゆる無くんば、これまた畏るるに足らざるのみ」(p.92)
「韓非子」から株守の例え話です。北原白秋の「まちぼうけ」の原典です。
田中に株有り、兎走りて株に触れ、頸を折りて死す。よりてそのすきを捨てて株を守り、また兎を得んことをねがう(p.133)
「孫子」より戦わずに勝つのが最善であるとの教えです。「風林火山」ではなく「風林火山陰雷震」が正しい。
およそ兵を用うるの法、国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ。軍を全うするを上と為し、軍を破るはこれに次ぐ。…このゆえに百戦百勝は、善の善なる者にあらざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。(p.146)
…故にその疾きこと風のごとく、そのしずかなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく、知りがたきこと陰のごとく、動くこと雷震のごとく…
十八史略より唐の李世民の問答です。いつか守成になりたいと思います。
…「創業と守成とはいずれが難き」と…しかれども創業の難きはいけり。守成の難きは、まさに諸侯とこれを慎まん(p.152)
- 作者: 渡辺精一
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/12/15
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る