「孫子」は部下に対して超人的な自発努力や能力の発揮、さらに度外れた勤勉ささえ要求してないし、あてにもしていない。…敵がきたら兵隊は逃げる…食糧がなくなれば兵隊は食糧のあるほうに逃亡してしまう。p,4
「孫子」の山本学による解釈です。原文とその一般的な解釈、実例での補強、山本流の教訓を述べています。山本七平氏の日本軍将校としての経験、戦国時代の歴史事実をふんだんに披露しています。面白く読めました。備忘します。
![「孫子」の読み方 (日経ビジネス人文庫) 「孫子」の読み方 (日経ビジネス人文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51AKXEYD0XL._SL160_.jpg)
- 作者: 山本七平
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/08
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時代の「形」が変われば、その新しい「形」の「勢」にのる者も変わるということである。新人類の出現などと言われるが、これも新しいご時世のタイプ(形)だから新しい「勢」になるように、いわば別の「形」の急斜面に置いてやれば、新しい時代の「勢」すなわち「時勢」に乗ってエネルギーを発揮し、企業の戦力になるはずである。ページ93
それ兵の形は水に象る。水の形は高きを避けて下きに趨く。ページ115
「歴史の教訓」はあくまでも「教訓」であって、同じことが再現すると思ってはならないし、現状が半永久的に固定すると思ってもならない。…その全ての動きは孫子の言うよう「水の流れ」のように、自己を規制してくる外部の変化に対応していなければ、新しい危機に自ら落ち込むであろう。ページ117
「迂直」はある意味では、人生の指針ともなる言葉であろう。あまり急いではいけない。もちろんあせることは禁物である。しかし目的を放棄してはならない。ページ122