「空気の研究」を読みました。戦艦大和の無謀な出撃は「空気」によっている、「空気とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である。専門家ぞろいの海軍の首脳に、作戦として形をなさないことが明白な事実であることを、強行させ、のちに、その最高責任者が一言も説明できないような状態に落とし込んでしまう(p.19)」のだそうです。 公害問題に対するマスコミの糾弾や、日本版マスキー法の制定も、「空気」のなせるわざであると述べています。日本の会議はこの「空気」に支配されていて、「そんなことを言える空気ではなかった」と論理的な結末ではない結果となります。山本七平氏が生きていたら、原発廃炉問題は「空気」に支配されていると喝破されるのではないでしょうか。★
- 作者: 山本七平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1983/10
- メディア: 文庫
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