故水木しげる氏の戦記物で、最も有名な作品を読みました。人の命が紙屑のように捨てられる日常を淡々と描写しています。伐採した木の下敷きになってあっさりと圧迫死、飢えのあまり獲った魚を飲み込もうとして窒息死。ビンタの嵐に加えて雑用の強要、これが日本軍の実態だったのでしょう。死んだ父は軍隊のことは語りませんでした。理不尽にも玉砕で生き残った兵隊をもう一度バンザイ突撃させるとは!水木しげる氏の静かな怒り、しかと受け止めました。90%は実話だと「あとがき」にありました。
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/06/07
- メディア: 文庫
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