「火星に住むつもりかい?」を読みました。ディストピア小説です。「1984年」と同じように監視社会、チクリ社会の未来を暗示した小説です。仙台が監視地区に指定され、安全警察という組織が住民の告発を集めて、無実の人間を処刑する物語です。魔女狩りの現代版を描写しています。処刑をのぞむのは民衆です。拷問の場面はリアルで途中読むのをやめようかと思いました。「正義の味方」ヒーローも普通の人です。結局、世は事もなしということになります。正義となにか? 権力掌握とはなにか? 人間行動の本質は何か? 解答は読者に委ねられています。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/04/12
- メディア: 文庫
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