「ソクラテスの弁明」を三十数年ぶりに読み返しました。死についての言説を確認するためにです。ドキドキしながら読みました。怯まない知の巨人を久々に垣間見ました。「無知の知」の説明は圧巻です。メレトスを追い詰めるソクラテスは実に小気味よいのですが、死刑になるように、なるように裁判官たちを扇動しているようにも見えます。若きプラトンはこの巨人の潔さや勇気をみて感動したことがよくわかります。備忘します。
- 作者: プラトン,田中美知太郎,藤沢令夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/01
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
…死ぬということは、次の二つのうちの一つなのです…まったくない無といったようなもので、死者は何もすこしも感じないか…ここの場所から他の場所へと、ちょうど場所をとりかえて住居を移すようなことになるわけです。
…もしそれが何の感覚もなくなることであって、人が寝て夢ひとつ見ないような眠りのごとおきものであるとすれば、死とはびっくりするほどの儲けものである…