北尾吉孝著「何のために働くのか」読みました。ホリエモン事件のときに出てきた人のように記憶していました。また最近、ロシア新興財閥との折衝場面(NHK)に出演していたように記憶しています。野村證券出身ということは聞いていましたので、俗物中の俗物かと誤解していました。すみません。教養の高い方だということを認識しました。孔子の引用はほとんど知っていましたが、四書五経や天風氏まで至ると全く知りませんでした。歳が近いせいか、意見は至極もっともで反論はありません。備忘します。
- 作者: 北尾吉孝
- 出版社/メーカー: 致知出版社
- 発売日: 2007/03/12
- メディア: 単行本
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「働くことが人間性を深め、人格を高くする。働くことは人間を磨くこと、魂を磨くことだ」(p.20)
人間とは何かと考えることは、いい仕事をするためには欠かせない大きなテーマになります。(p.32)
好き嫌いで判断している限り、決して自分の望んでいる仕事には巡り合えない…(p.49)
まずは与えられた仕事を素直に受け入れることです。そして、熱意と強い意志を持って、一心不乱にそれを続けていく覚悟が必要だと思います。(p.52)
積善の家には必ず余慶あり、積不善の家には必ず余殃(よおう)有り。(p.69)
自得は、中国古典の中で非常に重要視されている考え方です。…これは「人を知る者は知者にすぎない、自分を知ることが最上の明なのだ」ということです…(p.70)
伊藤雅俊さんは「あ、孫さんのところ?よく知っているよ。孫さんは天才だよ。だけど重大な欠陥がある…彼は事業欲が強すぎるんだよ…彼を止められるのは君ぐらいかもね」(p.109-110)
…ライブドアがニッポン放送を買収しようとしていたとき、私は表に出るかでないかで迷っていました。そのときふと思い浮かんだのが、この「徳ある者は必ず言あり」という言葉でした。…「徳ある者は必ず言あり」は「言ある者必ずしも徳あらず」と続く…(p.127)
「あなた、寝食を忘れるぐらい仕事に打ち込んでる?もしそれでもなおかつ今の仕事が嫌だったら、方法は三つしかないよ」一つ目は、その仕事を止めて…新たな仕事を探すこと。…二つ目は、道楽の世界を持つこと。…三つ目は考え方を変えてみること。…(p.135)
あなたが仕事のできる人間になりたいのなら、他人のせいにすることは禁物です。…(p.157)
…では、自分の「運」と「機」をどうやってチェックすればいいでしょうか。私の場合は、それを「ソリティア」というパソコンのトランプゲームで計っています。(p.162)
仕事をやり遂げるうえで絶対に欠かせないものを一つあげよと言われたら、私は「憤」の一字をあげたいと思います憤がないことには、頑張りようがないのです(p.178)
仕事即ち修行なのだと思います。仕事ができるようになるとは、人間として一流になるということなのです。おそらく真剣に仕事に取組続けた人は、皆この考えに同意していただけるのではないかと思います…(p.185)
…この間のホリエモン事件のときにもそれを実感しました。彼は資本市場という公共財を利用して、法律に触れないからと言って一対百の株式分割を行いました。(p.225)
…自分一人だけがピンチになったわけではないという気持ちを持つことです。(p.233)
「君子、固より窮す。 小人、窮すれば、斯に濫る」(p.235)
…晴れ晴れとした人生を送って命を終えたいと思うなら、自分自身に打ち克って、自分の天命をまっとうするために必死で努力すればいいのです…(p.240)
ふなき君、君を惜しむ。「二人とも、父さんみたいなくだらないサラリーマンにはなるなよ」思っていても子供に言ってはいけませんよ。「お父さんはくだらないサラリーマンじゃないよ。サーフィンするサラリーマンだよ」は素晴らしい返歌です。非才にして思い至らず。