『ヤマトタケルの謎』を読んで ― 想像力が描く英雄神話の深層
小説家が綴る古代史の世界。『ヤマトタケルの謎』は、史実と想像力が交差するなかで、日本神話のなかでも特異な存在であるヤマトタケルを掘り下げた一冊でした。正直に言うと、学術書では得られない、物語の温度を感じる本でした。 想像 […]
『一冊でつかむ日本史』を読んで:歴史と哲学のあいだで
中村隆之氏の『一冊でつかむ日本史』を読みました。コンパクトに日本史を通観できる点は、新書として非常に優れており、特に日本精神や神道を軸にまとめられた構成は、他の歴史概説書にはない視点がありました。 ただ、著者が語る「歴史 […]
「消された王権 尾張氏の正体」を読んで―古代史の「闇」を照らすランタン
「神話は勝者のプレスリリースにすぎない」──本書が突きつけるのは、この痛烈な問いだ。 本書は、〈古事記〉と〈日本書紀〉を「対立するプレスリリース」として読み替え、考古学データで裏打ちする**“史料の二重読解”**を体験 […]
日本史の“常識”が覆る瞬間――『日本史の新常識』を読んで感じたこと
先日、『日本史の新常識』という最近の研究成果をアンソロジー形式でまとめた本を読みました。多彩な分野の研究者による知見が集約され、まさに“歴史の新地平”を体感できる一冊でした。私が漠然と“常識”だと思い込んでいた歴史観が覆 […]
『天皇の起源』を読んで——神か人か、その狭間に立つ存在
date: 2025-04-01 30年経っても色褪せないテーマ 約30年前に出版された『天皇の起源』。読み始める前はさすがに古い内容かもしれないと思っていましたが、驚くほど今の自分にも響いてきました。もちろん、考古学や […]
榎本武揚と明治維新
はじめに先日、黒滝先生(東京農業大学教授)の著書『榎本武揚と明治維新』を読みました。私は函館に住んでいたことがあり、五稜郭や碧血碑にも足を運んだ経験があります。函館検定の勉強もしていたので、榎本武揚(書名では「武明」とな […]
日本史を暴く
/ 歴史には裏がある、歴史には闇がある。本書、日本史の知られざる逸話が多数収録されている。歴史には闇がある。それを暴くことの面白さと危うさを改めて考えさせられる一冊だった。筆者の独自の見解が多く含まれているため、歴史の通 […]
「明日死んでもいいための44のレッスン」
下重暁子著 / はじめに 最近、「明日死んでもいいための44のレッスン」という本を読みました。著者の人生哲学と死生観について、深く考えさせられる一冊でした。 印象に残った言葉 「死に方は生き方、生き方は死に方。人は生きて […]
農家はもっと減っていい
「農家はもっと減っていい」を読みました。久しぶりに農業についての本を手に取りました。著者の久松さんの変わらない信念と自己確信の強さです。以前にも彼の本を読んだことがあるのですが、今回の著作はより理論的に磨かれ、確立された […]
アラマタ図像館②解剖
「アラマタ図像館②解剖」を読みました。学芸大学の古本屋で荒俣宏の本見つけました。荒俣さんの本は久しぶりです。この本はほぼ解剖図を羅列している本で説明文は十数ページしかありません。図鑑と言えば図鑑という本です。気味の悪い解 […]