「もじれる」という言葉を知りませんでした。「ねじれる」とか、「もつれる」「こじれる」という意味だそうです。著者の専門は教育社会学だそうです。悩みを一人で背負っているような気負い、好きになれませんでした。最後まで共感できませんでした。フリーターの若者たちに著者の難しい言葉は届かないと思います。備忘します。

もじれる社会: 戦後日本型循環モデルを超えて (ちくま新書)
- 作者: 本田由紀
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/10/06
- メディア: 単行本
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こうしてみると 「能力発揮」を称揚する考え方が社会に根付いていることは、社会の統治という観点からは極めて効果的である。「能力発揮」は、自分に能力があると感じるものに対しては意欲や努力を「加熱」する方向へと、逆に自分には能力がないと感じるものに対しては不満を「冷却」する方向へと、異なる作用を同時に持ちうる。とりわけ「能力」が抽象的で人格全体と不可分のもの、個人に本質的に内在しており動かしがたいものと考えられられている場合、そのような統治の作用はいっそう有効に働くだろう。日本の社会においてはまさにそうした「能力」観が強い。p.122