「利他学」を読みました。なせ私たちは他人に対して親切にするのかを考察した本です。自らの遺伝子をできるだけたくさん残すための合理的な行動でもあるし、他人の目を意識した行動でもあるし、道徳とうい文化のなせる行動でもある。ひとつの理由で説明することはできないが、「情けはひとのためならず」を考え直すよいきっかけになりました。備忘します。
- 作者: 小田亮
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 単行本
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いま、ある集団のなかに多くの裏切り者がいるとする。これらに罰を与えるのはコストがかかることではあるが、その結果として裏切り者の数はどんどん減っていく。すると、数が少なくなった分、罰を与えるコストは少なくてすむ、つまり、どんどん裏切り者を探し出し、罰を与えていけばいくほど、コストは少なくなるのである。…もしかしたら、現代日本のような治安がよい社会はまさにこういう状態なのかもしれない。(P.117)
なぜ、ヒトの女性にはこのような長い閉経後の期間があるのだろうか…ヒトの子どもは世話が大変であり、多くのコストがかかるので、繁殖を終えた女性が自分の娘や親類の子育てを手伝うことで、包括適応度、つまり血縁個体を通じて遺伝子が残される度合いが上がったのではないか…(P.190)