インターネットの誕生には“軍事技術からの転用”というイメージが強くありませんか? 私もそう信じていたひとりでした。
でも、読んだ本『シンインターネット』(副題:DX時代に考える)には、まったく違う視点が描かれていました。
その衝撃と学びを、自分の備忘も兼ねてここに綴っておきたいと思います。
📚「インターネット=軍事技術」じゃなかった
まず一番驚いたのは、ARPANETの誕生背景。
たしかに国防総省から研究資金は出ていたものの、軍事目的というより、研究者同士の通信効率を高めるためのネットワークだったのだそうです(P67-68)。
「世界中が研究で使っているものを軍が使った」のであって、最初から軍用だったわけじゃない。
この一文が、思い込みを見事に覆してくれました。
■“情報はあるけど使えない”という課題(P50)
本書の中でとても共感した言葉がこちら:
「役に立つデータはたくさんあるけれど、保存しておく場所がない。使う方法もない」
今この瞬間も、部屋の中には役立ちそうな情報が“潜在的に”溢れているけれど、それを取り出す仕組みや活かす方法が整っていないという指摘。
まさに、DX時代の課題を言い当てていると感じました。
■量子コンピュータと暗号の未来(P58)
インターネットの基盤を支える暗号技術。
でも量子コンピュータの発展によって、今の「公開鍵暗号」が突破されるかもしれない。
「インターネットが使い物にならなくなるかも」という懸念は、現実味を帯びてきているのかも。
■“日本語が世界を変えた”という話(P94)
「インターネットの多言語化は、日本語が切り開いた」
この記述はとても誇らしい気持ちになりました。
日本語の表現力や漢字の構造が、世界中の文字処理に影響を与えた。
技術革新の背後には、こうした“文化の力”があるのだと再認識しました。
■AI・YouTube・ロボットの未来観も語られる
本書では、量子コンピュータだけでなく、AIの判断基準とロボット三原則(P121)YouTubeが“学びのマニュアル”になっていること(P130)
漫画文化が世界を変える可能性(P98)など、未来に関する視点も数多く語られます。
🪄締め
インターネットやDXという言葉に日々触れていますが、実は「知らなかったこと」や「誤解していたこと」も多い。
『シンインターネット』は、技術の背後にある人間の試行錯誤、そして未来の可能性を、静かに、でも確実に伝えてくれる一冊でした。
情報社会に生きる私たちこそ、ぜひ読んでほしいです。
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備忘します。
つまり 役に立つデータはたくさんあるけれども、保存しておく場所がない 使う方法もない 今、この時点で2人が話をしている。この部屋の中にも デジタルデータとして役に立ちそうなものがたくさんあるのに、実際に使えるのはほんの少し。そういう意味で未来への課題はたくさんあるし人類がこれから大変なプロセスを歩んでいなければならない。 ページ50
量子コンピューターとインターネットとの関係で一番怖いのは計算が早くなって 公開鍵暗号が破られることだよね。今、インターネットで使われている暗号が破られているとインターネットは使い物にならなくなるから。ページ58
国防総省からデジタル通信に関する研究資金が出ていたのが事実だけれども、軍事技術として研究されたものではない。ページ67
それで、みんなびっくりして、いやいや、今、世界中が研究で使っているものを軍が使ったんですよって言ったわけ。だから、インターネットは軍事技術のために 開発されたというのは間違いなんだよ。ページ68
だから、情報の歴史の本には出てこないかもしれないけど、1969年にパケット通信ネットワークのARPANETが誕生して、同じときにユニックスが コンピューターは人間のための働くというコンセプトを作った、このARPANETとユニックスの結婚がインターネットの誕生と言っていいんじゃないかな。 ページ73
インターネットの多言語化は日本語が切り開いたんですね、そう、日本語が切り開いて、世界中の言語を載せられるようにした、これは、インターネットをグローバルな基盤にするために、とても大切なことだったと思うページ94
漫画のデジタル化で、日本の文化が世界に伝わるんじゃないかと思っているんだよ、漫画以上に強い武器は、ないかもしれない。ページ98
例えば、高齢者や障害者が自由に移動できるようになるということは、何よりも大切だよ。一方で、俺自身はタクシーに乗って移動するのは楽だと思うけれど、 たまには車を運転して仕事に行きたいなという気分になる。まあ、自分で運転するのはボケ防止という意味もあるんだけどさあ。ページ113
まあ、そもそも、人を傷つけてはいけないということが、ロボット三原則にはあるわけだから、そういう状況になったら、「人間に聞け」とか、「その先の判断はするな」というシステムを作っていくと思う。 したがって、AIの暴走はないということになるんじゃないかな。ページ121
だから困ったことは、YouTubeを見ると大抵解決する。コンピューターのハードディスクはどう換えるんだっけ? で、困ったら、昔はマニュアルを読んでいたけど、今は、じゃあ蓋を開けてみましょうって、全部動画で説明してくれる、めちゃくちゃ便利。 ページ130
大丈夫だと思うよ、ベネフィットがあるから。人類がみんなつながっているということから生まれる利益や恩恵が必ず出てくるから。そして、折に触れて、それを意識することがあるだろうし、それが大事だから頑張ろうという人が出てくるはずだから、あんまり心配してないんだよね
ネットワークをつないだネットワーク全体のことをインターネットと呼ぶことにした!インター・ネットではなく、インターネットだ!って教えてくれましたよ。 ページ142